2008年7月17日木曜日

トータルステーション(SET4BS/5S/6ES)





今回はトータルステーションの少し古いタイプの機械を紹介します。
会社にあるものではSET4BSが一番古いタイプで、実際に手に持ってみるととても重いです。
SET5Sはそれよりは多少軽く、SET6ESはかなり軽くなっています。
昔の機械はとても重いので、現場で持ち運ぶ時は大変だったでしょうね。
箸よりも重い物を持ったことがないような方には絶対無理でしょう^^

これらは電子式なので、ボタンを操作するとディスプレイに全て表示され、数値がとてもわかりやすいです。
SET4BSはボタンの数が多く、こんなに全部使う人がいるのかなぁと疑問に思うくらいなのですが、5Sと6ESはよく使われる機能に絞られていて、4BSと比べて使いやすくなっています。

まず、トータルステーションとは1台で角度(鉛直角・水平角)と距離を同時に測定できるとても便利な機械です。
この機械はトータルステーション本体と反射プリズムの2つがあって、初めて成立します。
測量を行いたい場所に反射プリズムを設置し、光を飛ばしてプリズムで反射させ、返ってきた光の位相差を利用して計測しているので、光波距離計とも呼ばれています。
反射プリズムのど真ん中じゃなく、ずれた位置から光が入った場合には結果が違ってしまうんじゃないの?と思う方もいると思いますが、反射プリズムはどの位置から光が入ったとしても同じ値が出るように作られているので心配無用です。

ただ注意しなければいけないのは、プリズムによってプリズム定数というものが違うというところです。
光がガラスの中を通過する時の速度が空気中よりも屈折率分遅くなるので、光波距離計はその分だけ実際の距離よりも長い距離を表示します。その為、ガラスの屈折率と反射プリズムの大きさ(光路の長さ)から決まる定数を引く必要があります。
しかし、構造上プリズムを覆っている金属部分などによりプリズムの頂点が測点からずれている場合があるので、この場合はずれ分も合わせたものをプリズム定数といいます。
この誤差分を表示された距離から引かなくてはいけないのですが、トータルステーションにはプリズム定数を登録できる機能があり、きちんと登録しておけば自動的に計算して表示してくれるので、その部分だけはしっかりと確認するようにしましょう。
会社からトータルステーションとプリズムを合わせて出す場合は変更してありますが、自分で持っているプリズムを使用する場合は違うこともあるので注意しましょう。

話によると鳥人間コンテストや、投擲競技では光波距離計が用いられているらしいです。
意外なところでいい仕事してますね!

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ソキアの光波は、“トリビア”で距離を測っていたり、気をつけてテレビを見ていると意外にも登場しています。
発見したときはちょっと嬉しくなったりしますよ。

気楽院 さんのコメント...

測定する前に、乗数や気象補正等の確認をすることも大事ですね。

HEX さんのコメント...

光波はプリズム定数だけでなく気象補正(気温や気圧による光の速さの変化の補正)や球差・気差補正(地球表面が球面による誤差・空気中を通る光が屈折して起こる誤差)も計算できるみたいです。
光波ってすごく頭がいいですね。

Unknown さんのコメント...

SET6ESは歴代ソキアトータルステーションの中でも最軽量+コンパクトなので、この機械のファンはとても多いです。

SET5Sは扱いが簡単+下部微動、固定ネジがあり取扱がセオドライトの延長線上という事もあり、トータルステーション入門機として活躍し、"SET5"とトータルステーションの代名詞的に言われる方は多いです。

SET4BSⅡこのEDMが好きだったサーベイヤーは日本国内はもとより海外の方に結構いらっしゃいましたね。

Unknown さんのコメント...

トータルステーションは覚えることが多くて大変ですね。

カッチ さんのコメント...

平面鏡では数メートルの距離でも光をトータルステーションに戻すは難しいのに、プリズムはどの角度からトータルステーションの光が入っても反射光が同じ距離で戻り距離が正確に測れるようにできているのですね。プリズムは自転車に付いている反射板と同じようにできているそうです。また、反射シートも小さいプリズムで同様です。プリズムも種類がありプリズム定数が異なるのですね。調べた所、整準台タイププリズムの「APS12」では定数が-30㎜。ピンポールプリズムの「PQ-15」の定数は0㎜で同じくピンポールプリズム「OR1PA」の定数は-30㎜でした。ちなみに反射シート「RS10N-K」等の定数は0㎜でした。また「APS12」等、定数が-30㎜のモノでもプリズムスペーサ0を用いるとプリズムの定数を0㎜に設定できるモノもありました。
長距離での測定では複数プリズムを使用する場合もあるそうです。
また、プリズムや反射シートを使用しないノンプリズムで測定できるトータルステーションもあり、こちらはレーザー光で距離を測定するそうです。
トータルステーションとプリズムで距離を測る時は地点ポイントに正確に設置しプリズムの定数を確認し、トータルステーションに登録する作業が大切ですね。