2008年8月5日火曜日

酸素測定器(OX-87A)



今日は酸素測定器を紹介します。
これはマンホールやタンクなどに侵入する前に下の酸素濃度を測って安全かどうかを確かめたり、奥の方へ進んでいくと気付かないうちに酸素が薄くなっていたりするので、酸素濃度が安全な数値であることを確認する為に持っていきます。

一般の空気中の酸素濃度は約21%で、人の吐き出す息は約16%です。
人間は呼吸をして肺でガス交換をしますが、人間の出すガスと空気中の21%の酸素が濃度勾配に従って交換されるので、一回でも酸素濃度16%以下の空気を吸うと酸素が逆に濃度勾配に従って引っ張り出され、奪われてしまいます。
さらに血中酸素が低下すると、反射的に呼吸が起こり、呼吸をするとさらに血中酸素が空気中に引っ張り出されるという悪循環が起こります。
無酸素の空気を吸うと、たった一回の呼吸で意識不明になる可能性があり、大変危険です。
その際、水の中にうつぶせに倒れると溺死する危険性"大"です!
一瞬で意識を失わなかったとしても、短時間で意識不明の状態に至りやすいため気付いてからでは遅く、更には運動機能も低下するので、自力での脱出は困難となります。
酸素が欠乏している空気かどうかは臭いや色などでは全く判別できず、初期症状も眠気や軽い目眩として感じる程度なので、酸素の濃度が低いことに全く気付けずに奥まで入って、人が倒れているのを見てあわてて救助しようとした救助者も昏倒したりします。
酸欠による筋力低下によって、出入りにハシゴなどを使用する場合は転落する危険もあり、これらによって死亡の危険はかなり高く、労働災害などで酸欠による死亡者数が多い要因になっています。


[ 酸欠症状 ]
16% : 呼吸脈拍増、頭痛悪心、吐き気、集中力の低下
12% : 筋力低下、目眩、吐き気、体温上昇
10% : 顔面蒼白、意識不明、嘔吐、チアノーゼ
8%  : 昏睡(8分で死亡)
6%  : けいれん、呼吸停止


[ 気を付ける場所 ]
・ マンホール、タンク(微生物が酸素を消費するため)
・ 製薬、化学工場、製鉄工場
・ 下水処理施設、地下ピット等
・ 野菜貯蔵庫(暗室では光合成による酸素消費より呼吸による酸素消費の方が大きいので)
・ 屑鉄倉庫(鉄が酸化して酸化鉄になるため)


酸素濃度が18%を切るとブザーが鳴って知らせます。
電池の容量がなくなってもブザーが鳴るので、「いつの間にか電池が切れてた!」ということはないです。
5mの延長コードも付けられるので、マンホールやタンクの中を侵入前に調べられます。
作業前に酸素濃度が下がっていない普通の空気の場所で、キャリブレーション(校正)する必要があります。
一般的な空気の酸素濃度の21で合わせて、基準となる数値を決めなければいけません。


満員電車の酸素濃度、一回測ってみたいです。


☆表示板にアフロと犬小屋の写真を追加しました
表示板くらい大きくなると、騒音計用のぽんぽんもこんなに大きくなります。
犬小屋は中に振動計のピックアップを入れて使います。

4 件のコメント:

六文銭 さんのコメント...

酸欠ってすぐに気づくものじゃないんですね。
気がつかないうちに陥るものとは知りませんでした。
勉強になります。

HEX さんのコメント...

無酸素の空気をたった1回吸っただけで意識不明になる可能性があるなんて驚きです。
酸素の濃度が高すぎても酸素酔いを起こしてめまいや吐き気を起こすと聞いたこともあります。
酸素でも何でも適量がやっぱりいいんですね。

気楽院 さんのコメント...

作業前に新鮮な空気の場所で、
始業前点検することが大事ですね。

Unknown さんのコメント...

リクエストの"アフロ"と"犬小屋"写真アップありがとう。
この2つがあるから、屋外の厳しい自然環境下でも使用できる訳ですね。
今朝はあくびがよく出る!
これって脳内酸欠?